なんだか、今日はメンバーがおかしいと思う。
飴玉に始まり、りんごに続き。
もしかしてまだ何か来るんじゃなかろうかなんて思っていた俺の前に、本当に次がやって来た。
「…桃の缶詰?」
「うん♪」
「さっき二人で買ってきた」
その申告の通り、二人の手には近所のコンビニのビニール袋がぶら下がっている。
ちょっとはずんだ息にどうやら相当急いで買って来たらしいという事が分かった。
…でも、なんで?
「なんでわざわざ…」
「まぁいいじゃん♪」
「深く気にしないで」
…そのセリフ、さっきもどっかの誰かさんから聞いたんだけど。
更なる疑問を口にしようとしたら、それをするより先に二人がビニール袋をがさごそとやりだす。
そして片や桃の缶詰を差し出して。
片や缶切りを取り出して。
二人に浮かぶのは輝かんばかりの愛くるしい&爽やかな笑顔。
「ちゃんと食べてね♪」
「缶開けとくから」
「え?あぁ、うん。ありがとう…?」
だからなんで桃の缶詰?
わざわざ買ってきてくれた上に缶切りのサービスまでしてくれちゃって、おまけにフォークも差し出してくれる。
う…うーん……
でもなんだかいい笑顔の二人に疑問を呈するのも気が引けたので。
大人しく差し出されたフォークを受け取って、開けてくれた桃缶の中の桃を刺すと、俺はどうにもこうにも釈然としないまま、シロップがこぼれる前にと慌てて口に運んだ。
■□Four Leaf Clover.