バレンタインデーSHOCK りた〜んず。

皆さんこんにちは、森田剛です。
2月ですね。
もっと言えば今日は14日ですね。
そして目の前で満面の笑みを浮かべ、白い箱を差し出している三宅くんに何やらデジャブとか言うものを感じるような気がするのですが、果たしてこれは僕の気のせいでしょうか?

「剛!早く選べってば〜!」
「・・・・・・」

・・・どうやら気のせいではないらしいです。

「・・・おめ〜よぉ〜またなんでんなもん貰って来たりすんだよ〜」
「だってこういうのは季節もんじゃん!一年に一回しか出来ないじゃん!!」

いや、そんな力いっぱい力説されても。
別にやろうとしなくたって良くねぇ?
つーか意味分かんねぇし!
バレンタインなんて野郎だけじゃなんの意味もねぇイベントだろうがよ。
コイツは根本が間違ってんだよ根本が。
だいたいなんでバレンタインデー=ロシアンチョコレートなんだっつの!!
ぶちぶちぶちぶち・・・

「ほら剛!ぶちぶち言ってないでさっさと選べってば!」
「だぁーかぁーらぁ〜俺は嫌だっつーの!」
「拒否権なし!岡田も早くっ!!」
「ぬおっ?!」

もちろん今年も岡田は楽屋にいました。
涼しい顔で必死にこっちの会話を聞かないふりしてたけど、こーなったらお前一人だけ逃がしたりしねぇかんな!

「いや、俺は・・・」
『早く来る!!』
「・・・はい」

渋々こっちに来た岡田を入れて、結局今年も三人で囲むことになったロシアンチョコレートの箱。
・・・なんで何もしてねぇのに自ら罰ゲームやんなきゃなんねぇんだよ、オイ。

「それじゃ今年もせーので行くからな!」
「あーマジ嫌なんですけど!!」
「はぁ・・・」

覚悟を決めて、三人で「せーの」と口をそろえて言おうとした、まさにその時。

「あっれー?なんだよなんだよ〜お前らだけで美味そうなの食ってんじゃん?」

・・・なんか、聞き覚えのある台詞が聞こえてきました。

「俺も一個頂き〜♪」
『あっ!!』

聞き覚えのある台詞を言った人間…つまりは井ノ原快彦が、ひょいとつまんで口の中に放り投げたロシアンチョコレートの一粒。
思わずその行方を固唾を呑んで見守る俺ら三人。
そして、ありえないことに。

「・・・ん?・・・・・んぬっ!!?なっ、かっ・・・かれぇ〜〜〜っ!!!





・・・この一年で全く成長なしか、井ノ原快彦。





「かっ、かっ、かれぇっ!!ちょ、な・・・何なのこのチョコはっ!!?」
「井ノ原くんさぁ・・・」
「もうちょっと成長しろよ」
「えっ!?なっ、なに、その可哀相なものを見る目は!?」
「いや、いのっち、俺はある意味天才だと思うよ?」
「ってそんな同情の目しながら言われても!!ってゆーか、み、みずっ!水をくれっ!!」
『みみずはいないなぁ』
「あ〜〜〜なんかデジャブー!?」

結局今年も俺たちはロシアンチョコレートを口にすることなく、自ら進んで被害に遭った井ノ原くんの空しい叫びだけが楽屋に響いたとかなんとか。

以上、今年のバレンタインレポートを現場から森田剛がお伝えしました。
・・・来年こそは平和なバレンタインデーを送りてぇ。






END?


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2006年の小説、バレンタインデーSHOCKに続く第二弾。
2007年のバレンタインデーにアップするために書いていたらしいが、2008年のバレンタインデーが過ぎても完成せず。
うかうかしてたら2009年のバレンタインデーを迎えそうだったので慌てて完成させてみました。(笑)
ボツにするにはもったいなかったんだよ・・・出だしの一文が気に入ってたから。(そこだけか・笑)
だからちょうどいいやってことでV-Themeに放り込んでみました。
森田さんの一人語りってのはちょっと新鮮で楽しかったです。

2008.09.05.Friday
Kohki Tohdoh Presents.
template : A Moveable Feast