全ての罪の清算が終わって、俺は刑務所の前に立っていた。
空はどこまでも青く広がっている。
その広さに俺は呆然とした。
俺はこれから一体どうしたらいいんだろうか。
この世界で、俺はどうやって生きて行ったらいいのだろうか。
方向が、定まらない。
途方に暮れかけた俺の目の前を、通り過ぎる一台の見慣れたデコトラ。
・・・え?
ちょっと待てよ。
あれは・・・あのマリア様がペイントされたあれは、俺のデコトラだよな?
刑務所の前を少し通り過ぎて止まったデコトラから女の人が出てきて、俺を見て嬉しそうにデコトラと自分のカバンを交互に指差す。
あぁ、良く見ればあの人はこの間の引ったくりの・・・
・・・そっか。
そうなんだ。
神様、俺の人生にはまだまだ先があるみたいですね。
まだ絶望するには早いって、そう言ってくれてるんですよね?
・・・ありがとうございます。
俺、もうちょっと頑張ってみますから。
だからちゃんと、見ていて下さい。
これからの俺を。
なんだか照れくさくて、ちゃんとした笑顔になってたかは分からないけど、俺は彼女に笑って返した。
これからが、ここからが俺のスタートだから。
From.平松勝
* Kohki's Comment *
佐川のバージョンと同時期に書いていたらしいが何故かアップされていなかった代物。(笑)
佐川も平松もエンディングの微笑みにやられた勢いで書いたんですよ。
でもこっちは普通すぎてあんまし面白みがないかな?
でもせっかくなのでアップしてみちゃいました。
ほんと、エンディングは二人の笑顔が印象的だったなぁ。
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