五人の天使は最期の時に一人の悪魔の幸せを祈りました。 神様はそれを聞き届け、そして彼らの命と引き換えにそれを叶えました。 しかし一人残され天使となった元悪魔は、全く幸せではありませんでした。 あんなにも願った天使になれたと言うのに、共に幸せになりたかった天使たちは もうこの世界には存在しないのです。 たった一人になってしまった元悪魔の天使は泣きました。 神様に届くように、声を枯らせながらも泣きました。 こんなものは自分の望んでいた幸せではないと泣きました。 『サカモトくん!!』 「お前ら…っ!!」 神様は最後に彼らに慈悲をかけ、本当に彼が望んだ形の『幸せ』を彼に与えたのでした。 『約束』を違える事は神様にとってあってはならないことだからです。 元悪魔の流した優しい涙と、彼らが残していった羽に生命の息吹を吹き込んで もう一度天使たちをこの世界へと生み出したのでした。 一人の悪魔は五人の天使の祈りにより天使となりました。 六人での幸せを望んだ元悪魔は神様の慈悲に見守られながら、 今も幸せに暮らしていることでしょう。 END. |
||