きゃっきゃとした声が響いてくるお昼休み。
購買に行こうと教室を出たに、かけられた声は聞き慣れたものだった。
「ちゃん!」
「え?あ、三宅先輩」
「これからお昼?」
「はい」
「俺もー♪」
ぱたぱたと駆け寄ってきての隣に並び、やたらと可愛らしい笑顔の花を咲かせたのは、の一年先輩である三宅健である。(ちなみに森田の親友であり、当然のように【Victory】のメンバーである)
男にしてはキュートすぎるスマイルの持ち主は、学校内外・老若男女問わずファンが多い。
今も全開笑顔の三宅に方々から黄色い声が飛んで来ていた。(が、本人は全く気にしていないようである)
「それじゃあ一緒に屋上行かない?今日ちょー晴れてるじゃん?絶対気持ちいいよ♪」
「あれ?でも屋上って立ち入り禁止なんじゃ・・・」
「大丈夫大丈夫♪」
何を根拠に大丈夫と言っているのかはさっぱり分からないが、妙に自信満々で三宅が言うので、は頷いてみた。
そうすれば、うきうきとした顔の三宅がごく自然にの手を取ってぎゅっと繋ぐ。
(それをナチュラルに出来てしまうのはこの人のすごいところかもしれない)
「決まりっ!じゃあ行こっか♪」
「はい。あ、でもまずは購買寄って下さいね」
「りょーかい!」
「ふふ」
上機嫌の三宅についついが笑うと、彼もさらに機嫌を良くして笑う。
にこにこ笑って手を繋いで。
仲良く購買&屋上を目指す二人に、注がれた羨望のまなざしは数知れなかったとかなんとか。