この空の下で、今日も共に歩けるこの喜びを。


「いー天気だねぇ〜」

雲一つない空を見上げた井ノ原が、細い目をさらに細めてそう言った。
真っ青に晴れ渡った空は清々しく、その中で陰りを知らない太陽が燦々と輝きを放っている。
そんなある秋の日の一日。

「ぽっかぽかでもうすぐそこに冬が控えてるなんて思えない気温だよねー」

変なのーなどと言いながら、井ノ原の隣に並んで歩く健は同じく空を見上げている。
時折よたよたとよろついて、隣の井ノ原にぶつかっているのは御愛嬌(?)だ。

「あーつーかあったかい通りこしてなんか暑くねぇ?」

健の隣を歩いている剛は、しかめっ面でそう言うと、かぶっていたキャップを取って、自らをぱたぱたと扇ぎ出した。
(そんな剛に健が顔を近づけて、その風を受けようとしてるのは御愛嬌・・・なのかどうかは不明である)
確かに日陰のない道を歩き続けていると、夏ほどではないとは言え、強い日差しがちりちりと肌を焦がすようだ。
暑いと言っても過言ではない気温である。

「この時期に暑いってすごいよなぁ」

剛の隣でしみじみとそう呟くのは涼しい顔をした岡田だ。
そよぐ風に長くなった髪を揺らす姿が妙に絵になる男は、機嫌が良さそうに口元を緩めると、んふふと笑って隣の長野になぁ?と同意を求めた。
それを受けた長野は穏やかに微笑んで言う。

「確かに、この時期にここまで気温が高いのは珍しいかもしれないね」

でもいい天気だし、風が涼しいからすごく気持ちいいよね、と彼もまた機嫌が良さそうに笑った。
その爽やかな笑顔は、青い空に良く映えるなぁなどと、隣を歩く坂本は思っていた。

「絶好の散歩日和だな」

ううん、と大きく伸びをしてから、彼は隣に並ぶ仲間たちの顔を眺め見る。
思い思いのペースで、のんびりなごやかにこの道を共に歩く、唯一無二の存在たち。
そして、今日と言うこの日。
この一日。

「・・・さて、また一年頑張りますか!」

ぐっとこぶしを握り、不敵な笑みを浮かべて。
晴れ渡った空に力強くそう宣言した坂本に、続く仲間たちの声が明るくはじけた。




さぁ、17年目のスタートです!




2011.11.01.Tuesday V6 16th Anniversary!!


background:NEO HIMEISM