■ふかふかソファと青空と眠りの帝王■



「ごぉー?もーどこ行ったんだよあいつー」

だだっ広い屋敷の中、片割れの名を呼んでぱたぱたと走り回る式神が一人。

「あっ。もしかしてまたあそこかな・・・」

ふとそれを思いついて、苦い顔をしながらくるりと踵を返す。
再びぱたぱたと足音を響かせて目指すのは、片割れのお気に入りの昼寝場所。






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「あーやっぱりいた・・・」



主である岡田准一の自室。
そこにあるふかふかなソファの上に、鮮やかな青空のプリントがされた大きなクッションを置いて寝転がる青年が一人。
言わずもがな、剛である。

「もーごぉ〜!!」
「Zzz・・・んがっ・・・」
「起きろぉ〜!!岡田に見つかったら怒られるってば〜!!」

彼らの主は自室に他人が入るのを好まない。
それなのに剛は我関せずとばかりに平気な顔でこの部屋に入って、そしてお気に入りの場所でこうして昼寝をすることが良くあった。
察するに、岡田が嫌がることを承知の上で半ば嫌がらせの意味も含めての行動なのだろう。
我が強く、非常に攻撃的な性格をした式神は、何かと主と衝突することが多いのだ。
別に剛が怒られるだけならば構わないのだが、機嫌が悪くなった岡田のとばっちりを受けるのは他でもない、健である。
岡田に静かな怒りを向けられるのは慣れっこだとは言え、出来れば怒られないで過ごしたい。
故に健はソファの上で気持ち良さそうに眠る剛をなんとかして起こそうと試みた。

「おーきーろぉー!!!」
「・・・zZZ」
「起きろってば〜〜〜!!!」
「ZZz・・・」
「あーもぉ〜ご〜お〜〜〜っ!!!」
「・・・健」
「え?って、げっ!!岡田っ!?」

大声のハイトーンボイスで叫び続けた結果。
その声を聞きつけた岡田がいつのまにか駆けつけていて、怖い顔をして戸口に立ってました。
・・・これはもう完全に(自分含め)お説教決定である。

「うう・・・剛のばかー!!!」
「・・・んごっ・・・」
「ってまだ寝てるしっ!!」

眠りの帝王と言う異名を持った式神は、結局岡田に式札で強制的に起こされるまで眠り続けたそうな。








END?








≫Kohki's Comment.
久しぶりに絵を描いてみたらなんだか文をつけないと物足りない気がした結果こんなんなりました。
そしてこれまたちょー久しぶりにOcで描いてみたんですが、久しぶりすぎて全然使いこなせずあたふたしたよ。(笑)
ついでに線画を描き終えた後に剛健の色が全く決まっていなかったことに気づいてあたふたしたよ。(笑)
剛健つーかこの話は全員配色が決まってない・・・唯一あるイメージイラストが全部単色だからね。
で、結局ご覧のとおりの色にしました。
森田さんはやっぱり赤じゃないと!!と言う流れから、だったら健ちゃんは青だよなぁってことでこの結果に。
目の色は逆に健ちゃんが赤で森田さんが青です。いや、これは剛つん目閉じてますけどね。(笑)

えーさて、それじゃあチームカミセンの裏話でも一つ。(笑)

剛健は式札で召喚するタイプの式神ですが、基本的には屋敷内で放し飼いにされてます。(笑)
一説には出したり入れたりするのが面倒だという岡田さんの鶴の一声があったとかなかったとか・・・(超いいかげんな式神のシステム・笑)
そんな岡田さんですが、この話の彼は割と複雑な位置にいる設定なので、性格に多少の難が・・・
標準語がデフォルトで、剛健は呼び捨て。
口調も冷たく性格も冷たいという設定です。
まーそれは岡田の本当の姿ではなく、話が進むにつれ徐々に氷解していくって言う流れの予定なんですけども。
そんなことゆーといて相変わらず本編を書く気は・・・(笑)
でも断片的な話は書いてみたいなーなんて思っているので忘れた頃にぽっと短編が出てくる可能性はあるかと。
その際にはどうぞお付き合いをよろしくお願いいたします♪(笑)